見えないけれど身体の中心で働く筋肉
呼吸を動かす中心にある“横隔膜”の存在
前回は「浅い呼吸と不調の関係」についてお伝えしました。
今回は、その呼吸を動かす主役「横隔膜(おうかくまく)」について。
普段は意識することが少ない部分ですが、
実は身体のど真ん中にあり、呼吸だけでなく、姿勢や内臓、自律神経の働きにも深く関わっています。
横隔膜は、胸とお腹の間にドーム状に広がる大きな筋肉です。
息を吸うときに下がって肺に空気を取り込み、
吐くときに上がって空気を押し出すというポンプのような動きをしています。
つまり、横隔膜がしなやかに動いてこそ「深い呼吸」ができるのです。
横隔膜が硬くなると、呼吸も身体も滞る
ところがこの横隔膜、ストレスや姿勢の乱れ、長時間の座り姿勢などで硬くなりやすい筋肉でもあります。
特にデスクワークやスマホ時間が長い方は、猫背の姿勢が続くことで胸まわりが閉じ、
横隔膜が上下に動きづらくなります。
すると呼吸が浅くなり、体内の酸素量が減って代謝が下がり、
・疲れやすい
・頭がぼんやりする
・眠りが浅い…
といった不調が現れます。
また、横隔膜は内臓を支える役割も担っているため、
硬くなると胃腸の働きにも影響し、食欲不振や便秘などにつながることもあります。
実際、サロンで「呼吸が浅い」「お腹が張る」と感じている方の多くは、
触れてみるとみぞおちまわりが固く、横隔膜がこわばっています。
横隔膜は「姿勢を支える筋肉」でもある
横隔膜は呼吸だけでなく、「姿勢を支える体幹の要」でもあります。
骨盤底筋・腹横筋・多裂筋と連動して、
体の内側でコルセットのように働き、姿勢を安定させてくれます。
この4つの筋肉がしなやかに動いていると、呼吸も自然に深まり、
肩や腰に余計な力が入らなくなります。
逆に、横隔膜が固いと上半身に力が入りすぎ、肩こりや腰痛を悪化させる原因にも。
だからこそ「呼吸を整えること=姿勢を整えること」なんですね。
今日からできる!横隔膜をゆるめる簡単ケア
仰向けになって、みぞおちの下に両手を当ててみましょう。
ゆっくり「ふ〜っ」と息を吐くと、お腹が少しへこむ感覚がありますか?
吸うことよりも、まずは“吐くこと”を意識してみてください。
息を吐ききることで横隔膜が自然に動き出し、少しずつ柔らかさが戻ってきます。
このとき、力を入れすぎず「やさしく吐く」がポイントです。
横隔膜が動くと、心と体が軽くなる
横隔膜は“呼吸のエンジン”。
ここが動き出すと、呼吸が深まり、姿勢が安定し、
気持ちまで落ち着いていくのを感じられます。
呼吸は、自律神経を整える最も身近なセルフケア。
忙しい毎日の中でも、数回の深呼吸で心と体をリセットできます。
次回予告:「姿勢と呼吸」の深い関係
次回は、横隔膜とも密接に関わる「姿勢と呼吸」の関係について。
姿勢を整えることで、なぜ自然と呼吸が深くなるのか?
その仕組みと、家でもできる簡単な姿勢リセット法をお伝えします🌿
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